同僚と哀川翔さんについて話していると、「そう言えば哀川翔はトイレットペーパーを使い切ったのに補充しないと、子どもを半殺しにするらしい」という情報をもらいました。子どもを「半殺し」にするとは、何たる恐ろしい男!情報源を調べてみると、次のような記事にあたりました。
2004年に「ベストファーザー イエローリボン賞」を受賞している哀川だが子どもからは、“世の中で一番怖い大人”だと言われているそうだ。「トイレットパーパーを最後に使ったのに入れていない」、「落ちているゴミを拾わずにまたぐ」などのマナー違反は許さず、“半殺し”だと言い放つ。たくさんの人と関わりながら生活していることを意識し、周囲に対する思いやりを忘れないことの大切さを教え、守らなければ手加減せずに叱る。“世間は甘くないですからね”と哀川。
「哀川翔の厳しい子育て マナー違反は許さず「半殺し」」livedoor NEWSから抜粋(2017年10月18日)
http://news.livedoor.com/article/detail/9444512/
インタビュー記事の前後を読むと、哀川翔さんの俳優としての厳ついキャラクターもあり、「マナー違反は絶対許さない」という強い意志を表現する為「半殺し」という言葉を使ったのだと判ります。筆者は「半殺し」を本来とは違う意味で表すため、ダブルクオーテーションで括っています。
ところが、話し手や受け手のバイアスにより、「子どもを半殺しにするらしい」だけが記憶に残ってしまい、「恐ろしい男」という印象に変わってしまったのです。なお、その情報をくれた本人も、全くそんなつもりで言ってないとのことでした。結局私の勘違いだったのですね。
前後を読むと、インタビュイーとしての哀川翔さんの発言のニュアンスや、筆者のそう書いた意図が伝わるのですが、上記記事の冒頭にアウトラインを示す「ざっくり言うと」ではまた違う印象を受けます。
ざっくり言うと
- 俳優・哀川翔の厳しい子育てエピソードを紹介している
- 落ちているゴミを拾わずにまたぐなどのマナー違反は許さず、半殺しだという
- 「世間は甘くないですからね」と哀川は話している
文字数の制限があるのではないかと思うのですが、私は、ただただ厳しい人のような印象を受けました。哀川さんが厳しくしている意図を説明している部分は、省かれてしまっています。また、「“半殺し”」のダブルクオーテーションも取ってしまっています。個人的には、これは拙いと思います。
実際、この記事を引用した2ちゃんねるのまとめでも、次のような批判が相次いでいます。
- 虐待を公言
- 叱るのはいいが、半殺しなんて単語は使うべきじゃない
- 言葉を知らない馬鹿だから暴力に頼るしかない
- DQNの犯罪自慢www
「atch@2ちゃんねる」のまとめ記事へのコメントから抜粋(2017年10月18日)
http://www.watch2chan.com/archives/41790788.html
情報は人から人に伝わるに従って、伝え手に不必要だと思われる部分がどんどんそぎ落とされます。それを受け手が自分の価値観のもとに解釈し、不要な情報をそぎ落とし、また別の人に伝えます。この連鎖には注意しなければいけないと思います。
情報を受け取った時は情報源にあたることと、人に伝える時は自分の価値観や言葉遣いでバイアスがかかり、誤解を与える可能性があることを常に心がけておきたいと思います。
livedoor様、2ちゃんねる様、ネタに使わせていただきすみません。